中高一貫校で数学が赤点に つまずく原因5つと次のテストまでの対策

「小学校までは算数が苦手ではなかったのに、中学に入ってから数学で赤点を取ってしまった」
中高一貫校では、こうした悩みは珍しくありません。本人の努力不足だけで片づけると、原因を見落としてしまいます。中学数学は抽象度が上がり、授業の進度も速くなります。さらに、中高一貫校では高校内容を見据えて先取りする学校も多く、一度つまずくと次の単元にも影響が出やすいのです。
赤点はショックな結果ですが、学習を立て直すきっかけにもなります。大切なのは、「なぜ点が取れなかったのか」を分解し、次のテストまでにやることを絞ることです。

中高一貫校の数学で赤点が起きやすい理由
中高一貫校の数学は、一般的な中学校よりも進度が速いことがあります。学校によって違いはありますが、中学範囲を早めに終え、高校数学に入る準備を進めるカリキュラムもあります。
小学校の算数から中学数学に変わると、学び方も大きく変わります。
小学校の算数 | 中学以降の数学 |
具体的な数や図で考えることが多い | 文字式や関数など抽象的な考えが増える |
手順を覚えると解ける問題が多い | なぜその式を立てるのかが問われる |
単元ごとのつながりが比較的見えやすい | 方程式、関数、図形、証明がつながっていく |
問題数をこなせば安定しやすい | 理解と演習の両方が必要になる |
たとえば、正負の数で符号の感覚があいまいなままだと、文字式、方程式、関数の式変形でミスが増えます。方程式の立て方が不安定だと、文章題や一次関数でも苦労します。
中高一貫校で数学が赤点になったときは、今の単元だけを見るのではなく、前の単元からのつながりを見る必要があります。
赤点の基準と影響を正しく知る
赤点の基準は学校ごとに異なります。多くの場合、定期テストの点数、平均点、提出物、小テスト、授業態度などを合わせて判断します。
よくある基準の例としては、次のようなものがあります。
確認したい項目 | 見るべきポイント |
赤点の点数基準 | 何点未満が赤点なのか |
評定への影響 | テスト以外に提出物や小テストが入るのか |
補習や追試 | 対象者、実施時期、合格基準 |
進級や単位 | 何回続くと注意が必要なのか |
課題提出 | 未提出がどの程度評価に響くのか |
赤点を取ると、補習や追試、追加課題の対象になることがあります。高校課程に入っている場合は、単位や評定に関わることもあります。
とはいえ、1回の赤点ですべてが決まるわけではありません。学校が補習や追試を用意するのは、学び直す機会を作るためです。まずは学校から配られた成績資料、シラバス、テスト返却時の説明を確認しましょう。
本人も保護者も、「終わった」と考えるより、次の3点を早めに確認することが大切です。
何点から赤点なのか
どの単元で落としているのか
次のテストまでに何を提出し、何を解けるようにするのか
数学でつまずく原因は主に5つある
赤点の原因はひとつではありません。複数の要因が重なっていることが多いです。ここでは、特に多い5つを見ていきます。
1. 前の単元の理解に穴がある
数学は積み上げ型の教科です。今の単元を勉強しているつもりでも、実は前の単元の理解不足で止まっていることがあります。
たとえば、一次方程式で苦戦している場合、原因が「移項」だけとは限りません。正負の数、分配法則、文字式の整理が不安定なこともあります。
見直すべきサインは次の通りです。
解説を読んでも、途中式の意味がわからない
符号ミスが何度も出る
似た問題なのに、少し数字が変わると解けない
文章題になると式が立てられない
この場合、今のテスト範囲だけを解き続けてもつらくなります。1つ前、場合によっては2つ前の単元まで戻るほうが、結果的に早く点につながります。
2. 授業を聞いているのに、概念を誤解している
「授業は聞いている」「ノートも取っている」それでも点が取れないことがあります。
これは、聞いていないのではなく、理解の仕方がずれている状態です。たとえば関数で「xが決まるとyが決まる」という関係が腹落ちしていないまま、グラフの描き方だけを覚えているケースがあります。
証明でも、先生の板書を写すことはできても、「なぜその条件を使うのか」がわからないままだと、別の問題で手が止まります。
授業中に理解したつもりでも、次のような状態なら要注意です。
例題はわかるが、類題が解けない
公式を使うタイミングがわからない
解答を見れば納得するが、自力では始められない
「なぜそうなるのか」を説明できない
このタイプは、ノートをきれいにまとめるだけでは改善しにくいです。例題の横に、「この式を立てる理由」「この変形をする目的」を一言で書くと、理解が深まります。
3. 学校指定の問題集を十分に解いていない
中高一貫校では、学校指定の問題集がテスト対策の中心になることが多いです。定期テストも、授業プリント、教科書、問題集から似た形式で出ることがあります。
それなのに、問題集が次のような状態だと点数は安定しません。
テスト直前に一度だけ解く
答えを見ながら埋めている
間違えた問題に印をつけていない
解き直しをしていない
提出のためだけに仕上げている
数学では、「わかった」と「自力で解ける」の間に距離があります。その距離を埋めるのが演習です。
特に定期テスト前は、学校指定の問題集を優先しましょう。市販教材を増やす前に、まず学校の教材を解き切ることが大切です。
4. 計算力と途中式の書き方が不安定になっている
数学が苦手な生徒ほど、「考え方がわからない」と感じます。実際には、考え方以前に計算で崩れていることも多いです。
途中式を省略しすぎると、どこで間違えたのか本人にもわかりません。符号、分数、かっこの外し方でミスが続くと、正しい方針でも答えが合わなくなります。
よくあるミスは次の通りです。
マイナスの符号を落とす
分数の通分で間違える
かっこの前のマイナスを配り忘れる
移項したときに符号を変え忘れる
単位や条件を書き落とす
計算ミスは「ケアレスミス」と呼ばれがちですが、同じ種類のミスが続くなら練習不足です。ミスの種類を記録し、毎日短時間で直すほうが効果的です。
5. テスト勉強の始め方が遅く、解き直しまで届いていない
数学は、前日に暗記して一気に点を上げるのが難しい教科です。テスト範囲が発表されてから問題集を始めると、1周目を終えるだけで精一杯になりがちです。
定期テストで点を取るには、少なくとも次の流れが必要です。
例題を理解する
基本問題を自力で解く
間違えた問題を解き直す
類題を時間内に解く
テスト形式で確認する
赤点が続く場合、このうち3以降に進めていないことが多いです。つまり、勉強時間がゼロではなくても、得点に変わる段階まで届いていないのです。

次のテストまでにやるべき勉強法
次のテストまでの期間が短くても、やることを絞れば改善できます。目標は満点ではありません。まずは赤点を抜け、基本問題で確実に点を取ることです。
テストを解き直して原因を分ける
返却されたテストは、点数だけ見て終わらせないようにします。問題ごとに、間違いを分類します。
おすすめの分類は次の4つです。
分類 | 内容 |
知識不足 | 公式や用語を覚えていなかった |
理解不足 | 何をすればよいかわからなかった |
演習不足 | 解き方は知っていたが手が動かなかった |
ミス | 符号、計算、条件の読み落とし |
この分類をすると、対策がはっきりします。知識不足なら覚え直し、理解不足なら先生や友人に質問、演習不足なら問題集の反復、ミスなら途中式の書き方の改善が必要です。
学校指定の問題集を3段階で解く
赤点対策では、教材を増やしすぎないほうがよいです。まず学校指定の問題集を使います。
進め方は3段階に分けます。
1周目は解ける問題と解けない問題を分ける
時間をかけすぎず、手が止まった問題には印をつけます。答えを見て理解できたら、解答を写すのではなく、もう一度自分の手で解きます。
2周目は印のついた問題だけを解く
すべてをやり直す必要はありません。間違えた問題、迷った問題、解説を見た問題を中心にします。
3周目はテスト前日に短時間で確認する
ここでは新しい問題に手を出しません。赤印の問題、基本例題、先生が授業で強調した問題を確認します。
前の単元に戻る日を作る
今の範囲だけを解いても進まない場合は、戻る勇気が必要です。
たとえば一次関数が苦手なら、比例、反比例、一次方程式を確認します。図形の証明が苦手なら、合同条件、角度、平行線の性質を見直します。
戻る範囲は広げすぎないことが大切です。次のように決めると取り組みやすくなります。
今の単元で使う前提だけ戻る
教科書の例題レベルに絞る
1日20分だけ復習する
解けるようになったら今の範囲に戻る
戻ることは遅れではありません。土台を直すための近道です。
各問題で「なぜその解き方か」を一言で説明する
数学の点数を上げるには、解法の丸暗記だけでは足りません。解く前に、なぜその方法を使うのかを考えます。
例として、方程式の文章題なら次のように言葉にします。
求めたいものをxと置く
数量の関係を式にする
方程式を解く
答えが問題文に合うか確認する
関数なら、「変化の割合を使う問題なのか」「グラフの式を求める問題なのか」を見分けます。
この一言説明ができるようになると、初見の問題でも手が止まりにくくなります。
毎日短時間の計算練習を入れる
計算力は一度に長時間やるより、短時間を続けるほうが身につきます。1日10分から15分で十分です。
内容は、今のテスト範囲に必要な計算に絞ります。
正負の数
文字式の計算
方程式
分数を含む式変形
展開や因数分解
関数の代入計算
答え合わせでは、正解数だけでなくミスの種類を見ます。同じミスが3回出たら、そこが優先課題です。
保護者ができるサポート
赤点を取った直後は、本人も不安を感じています。責める言葉が増えると、答案や課題を見せにくくなります。
保護者ができるサポートは、勉強をすべて教えることではありません。まずは状況を整理する手助けです。
テスト範囲と平均点を一緒に確認する
赤点の基準と補習の有無を確認する
問題集の進み具合を見る
睡眠時間と学習時間のバランスを整える
先生に質問する予定を一緒に決める
声かけは、「なぜできなかったの」よりも「どこから戻ればよさそうか」のほうが前に進みます。
必要であれば、学校の先生に相談してもよいでしょう。どの単元から復習すべきか、次のテストで優先すべき問題は何か、具体的な助言をもらえることがあります。
次のテストまでの学習計画の例
残り期間が2週間ある場合は、次のように進めると現実的です。
時期 | やること |
1日目 | 前回テストを分類し、苦手単元を決める |
2日目から5日目 | 教科書の例題と基本問題を解き直す |
6日目から9日目 | 学校指定問題集の間違えた問題を解く |
10日目から12日目 | 類題を時間を測って解く |
13日目 | 赤印の問題だけを再確認する |
前日 | 基本問題、公式、ミスしやすい計算を確認する |
残り1週間しかない場合は、範囲をさらに絞ります。応用問題よりも、基本問題と授業で扱った問題を優先しましょう。赤点を避ける目的なら、解ける問題を確実に落とさないことが重要です。
赤点から立て直すために大切なこと
数学の赤点は、能力の限界を示すものではありません。多くの場合、原因は「前の単元の穴」「理解のずれ」「演習不足」「計算の不安定さ」「テスト勉強の進め方」に分けられます。
まずは、返却されたテストと学校指定の問題集を見直しましょう。次に、解けない問題を分類します。そして、基本問題を自力で解ける状態まで戻します。
中高一貫校の数学は進度が速い分、つまずきを放置すると苦しさが増えます。早めに原因を見つけ、やることを絞れば、次のテストで流れを変えることは十分に可能です。赤点を「終わり」ではなく、勉強の組み立て直しの合図として使っていきましょう。


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